ファイルベースにおける映像の取り扱い
ビデオカメラがファイルベースになってから、撮影した映像は次の撮影に備えて、完パケ納品前に元のメディア(SxS、SDHC等)から消去しなければいけないケースがほとんどになりました。 編集機のHDDにコピーしてから消去することになるのですが、元のメディアと違ってHDDは非常に脆いため、1箇所だけに保存するのは危険です。 そこで、ファイルベースの素材管理に次のような体制を取っています。 素材は別経路から2重のバックアップ 元のメディアからPCにコピーする際、違うPCを使って別々の場所にコピーしています。 一台はメイン編集機MacProの内蔵HDD、もう一台は共有NASです。 ファイルコピーの方法も分けていて、一方はカメラメーカーの提供するメディア管理ツールでコピー、もう一方はOSの単純なファイルコピーです。 ハッシュ値の照合によるメディア一致性の確認 ハッシュとは、データ検証に使う技術の一種で、このハッシュを比較するツールを使って、コピー後にファイルが破損していないか確認しています。 上記画像は、右が元のメディアのデータ、左がHDDにコピーしたデータの一覧です。 青帯が1バイト単位で完全に一致したファイル、赤帯が破損して元のファイルと一致していないものです。 映像を確認すると、とても重要なシーンで激しいドロップフレームが発生していましたが、この行程によってメディア消去前に問題を回避することができました。 黄色は一方にしか存在しないファイルで、この場合は編集機が生成したTempファイル。 黄色をチェックすれば、ファイルコピー忘れもすぐに分かります。 とても面倒な作業なのですが…ここまで管理を徹底すれば、安心してメディアをフォーマットすることができます。